マイク・ゴードン、STS9と遭遇!

2003年7月21日

Bonnaroo 2003、Sound Tribe Sector 9のレイトナイトステージ。Mike & Leoのユニットで参加していたマイク・ゴードンがSTS9のステージに上がった。2度目のアンコールが始まろうとしていた。この時、STS9とフィッシュの世界が激突し、そして繋がった。

STS9と数分の即興で初めて共演したマイクの心中はいかなるものだったのか。Glide Magazineに彼の談話が掲載されている。


僕は昨日の夜の事を考えていた。受け入れる、という要素が大いに関わっているんだね。僕が[ジャム]がどんな作用で上手く行くのかを考える時は、そんなキャッチフレーズが頭の中に浮かんでくる。受け入れる事。時には10秒間ほどはベースのサウンドがひどいななんて考えていて、次の10秒間はいやこれはただ爆音じみているだけだと考えている。爆音みたいな音はクールだから、それを受け入れる。さらに次の10秒間には、クソ〜便所に行きてぇ〜ステージに立ってる場合じゃねぇよなんて考える。その後、ま、いいっか〜、こんなフィーリングも悪くないと考える。こんな事を繰り返して考えてるわけだ。で、昨夜は朝の6時頃まで延々12時間歩き回っていてさ、とても楽しかったよ。ぬかるみ用のブーツを履いたりして。真夜中頃に[ファンキー・]メーターズから始まって、ワーレン[・ヘインズ]と一緒にやったりして、セクター9が演奏しているところまで歩いていった。セクター9はその時まで観た事がなかったんだけど、すっかりはまっちゃってね。凄く気に入っちゃったんだ。そうしながら暫くそこに座ってた。ハウス・ミュージックみたいな感じのジャムで、他のジャムバンドの影響も入っているのかも知れない。とにかくやられちゃった。アンコールの前に一度はそこから離れたんだけど、いやいや、今戻ったらもしかしたらちょっとはプレイ出来るかも知れないなんて思い直したんだよ。で、歩いてきた道をステージまで走って帰って、さらにステージに上がっちゃった。その時まで彼等に会った事もなければ聴いた事もなかったんだ。オレが知っているインプロビゼーションのモードとは全く違う代物だぜ、なんて考えながらね。この場合、ベースラインは今までよりもずっと反復するようなものらしく、あるいはずーっと続けるようなもので、ちなみに僕はそれって結構好きだったりするんだけど、とにかく今までとは全く違う性質のモードで、頭の中を切り替えてこれはやっちゃいけない、あれもやっちゃいけないなんて自意識過剰気味にこれはやっちゃいけない、あれはやるべきじゃないなんて考えていたんだ。これが正に頭の中から捨ててしまわなければならない代物の本性で、そこにただ立ってなるようになれ〜みたいなれるまでは、そんな事を考えちゃっているわけ。だから最初に言っていたように、受け入れる事、僕はそれに気付いたんだよ。すでにそうあるものをいかに受け入れる事が出来るかを常に学ぶって事をね。」

マイク・ゴードン、即興が上手く行くときのことについて語る


それから約3週間後、STS9の現在の本拠地であるサンフランシスコ・ベイエリアにフィッシュがやって来た。ショアライン・アンファイシアター、7月9日、10日の事である。ボナルー2003での体験は、マイク・ゴードンにかなりの影響を与えたらしく、マイクはセクター9のメンバー全員を彼のゲストとして9日水曜日のショーに招待した。ジョン・フィッシュマンと親交の深いサンタクルーズのファン、マルコはショアラインのバックステージで思いがけずSTS9のメンバーに出会う事となった。マルコはその時の印象を以下のように仲間達にレポートしている。

フィッシュを追いかけて日本からやって来た多くのPhanは、この事に気がついていただろうか?


ショアライン・アンファイシアターでのフィッシュのショーは、僕がここ数年に観たフィッシュショーの中でもベストなもので、僕はそのショックからようやく気がついて重い腰を上げたって感じなんだ。そこで聴けたファンタスティックな音楽の殆どはフィッシュのBBSで検討されるべきものだ。僕がみんなにシェアしたいのはSound Tribe Sector 9がマイク・ゴードンに与えた疑いのない影響という、僕の音楽経験の中でも最大のご褒美のような展開についてだ。

インターネットへのアクセスがない岩の下で生息する動物でない限り、サボテン[マイクのあだ名]がボナルーでSTS9に文句なくはめられてしまったと言う話は周知の通り。彼はそこでアンコールの演奏に飛び入り参加したのだった。セクター9がツアーの間にカリフォルニアへ戻ってきていたので、マイクは彼等をショアラインへと招待した。そして彼は、その夜のショーの間ずっとSTS9の事を考えていた。

水曜の夜[7月9日]、セットブレイクで僕はマイクとちょっと話をする事が出来た。僕達はSTS9とボナルーの事を話し合った。マイクは、ファン達がセクター9にはまってしまった時に口走るのと同じ事を言っていた。驚愕した、のめり込んだ、啓蒙された、熱狂した、と。彼はSTS9が会場に来てくれた事で凄くエキサイトしていて、同時に彼等の事を深く考えていると言っていた。この事実は、このショーの各所で、特にセット2で明白になった。例えば、「Piper」のジャムでマイクがどこへ引っ張ろうとしているかを聴いてみて欲しい。

ショーが終わった後、僕はバックステージでザック、マーフィー、ハンター、そしてフィップスに会える事が出来てとても嬉しくなった。みんな白熱したフィッシュのショーの後で興奮していた。フィッシュのアフターショーっていうのはとてもバカバカしいほど可笑しい体験になる事があって、みんなそこら中に座り込んで、大勢たむろする人達ともっと知り合いになりたいとか、ビールがもっと残っていたらいいのに、とか馬鹿な事を考えるようなところなんだ。だから、セクター9のメンバーのフレンドリーな面々と出会える事が出来たのは幸いだった。僕達はハイシエラやいろんな事で雑談が弾んだ。

昨夜[7月10日木曜日]のショーではデイビッド・マーフィーと彼の友達がセクション102の僕の座席の前に再び姿を現した。STS9のエネルギーを再び会場で見る事が出来たのはとても嬉しかった。マイクの思考が他のスペースへ飛んでいってしまわず、その時もまだSTS9の事を考えている事は、このショーでも時々見られたSTS9の影響を聴く事でも明らかだった。でも、これを読んでいる人達の中には「馬鹿な事を言うんじゃないよ、マルコ。この最大のジャムバンドがSTS9なんかの影響を受けるはずがない」と考えている人が必ずいるだろうと思う。そんな人達のために、僕はこの一曲を証拠としてあげたい。「Divided Sky」だ。Gamehendgeの平和を愛する市民がイカルスに捧げるこの祈りは最高の出来だった。トレイの典型的な飛翔するような素晴らしさが聴けた。でも真の美しさはその最後にやって来た。ジャムが全開となりビルドアップするに従って、マイクは通常のベースラインからタイトで反復的な「トランス」のパターンに切り替えた。その瞬間、僕は友人のジャグジットを振り返り、「ほら!マイクがセクター9をやってる!」と言った。思った通り、マイクはSTS9の影響を深く感じる方向へとその曲を導いていった。ペイジの「Vida Blue」的なシンセの音、さらにトレイまでもがハンターのサウンドを思わせる演奏を伴って。残念な事にフィッシュマンが僕達お気に入りのバイオニック・チップモンク[ザックの事を形象した表現]に変貌する事はなかったが、そのDivided Skyは「9だらけ」だった。

フィッシュが今も僕の音楽的な愛のメインであることは間違いはない。そしてセクター9は今日僕が個人的に最も充実した満足感を得る事の出来るバンドだ。だからこのふたつの世界が激突してこれほどにも美しい結果を残してくれた事は、僕にとってはとてつもない贈り物だ。本当に素晴らしい事だ。YEAH!

マジな話、このふたつのショーの音源をゲットして欲しい。フィッシュがDivided SkyでSTS9を演奏している。こんな事が起こる事も、それを信じる事も僕には想像もつかなかったけど、これ以上のものはないよ。

マルコ

訳 by wolf

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