アメリカ全国のコンサート会場で警備厳重に

観客の厳重な検問、バックステージや会場従業員も対象

MTV Newsより(2001年9月21日)
原文はこちら

 アメリカ全国のエンターテイメント会場は、9月11日の破壊的なテロリスト攻撃を機に警備を厳重にする。これによってコンサートなどへ出向く観客は、今まで以上に警備員ならびに警察の存在を見る事となる。また、さらに厳しい検問のため、会場時の長い列が予想される。

 しかし、さらに重要な変化はイベント前の警備を行い、貨物持ち込みやバックステージにおける規則の調整、観客のみならず会場に出入りする個人全てへの検問を増強するなど、「舞台裏」ですでに見られる。

 ポールスター誌の編集者、ゲリー・ボンジォヴァンニ氏によれば、「観客は今まで以上に厳重な衣服の上からの身体検査、金属探知器、バックパックなどの探査などを受け入れなければならない。」

 「舞台裏は様々な反テロ用の警備上の警戒体制が敷かれる主要地点です」とコンサート業界誌ポールスターの編集者ゲリー・ボンジォヴァンニ氏は言う。「つまり、会場設備が使用されていない時の閉鎖方法の充実、貨物や配達品のチェックなどです。これらの処置は普通の観客には影響を及ぼしませんが、その一方で観客達は身体検査、金属探知器、持ち込み所品の探査、またはそれらの持ち込み禁止までを予期するべきでしょう。」

 先週の事件以前にも、カリフォルニア州アナハイムのアローヘッド・ポンドでは警備員による身体検査、金属探知器の使用や荷物の中身のチェックなどは入場手順として通常行われていた。総支配人のティム・ライアン氏は、会場はこれらの方針を常時向上させている一方、テロ攻撃以降鍵となる調整は観客の検問にとどまらないとも言う。

 「あの事件は個人の入場ならびに施設の隅々に至るまで深く警戒を広げる結果を生みました」と彼は言う。「会場ビル地下出入り口の傾斜路での駐車は厳禁、さらに会場周囲の様々な個所でも駐車禁止としました。」

 アーカンソー州ノース・リトル・ロックにあるオールテル・アリーナは、身体障害者用の傾斜路が普通車でも乗入れ可能な幅であるため、車椅子のみが入場できるようにバリケードを張る事を決定した。

 バックステージ周辺についてライアン氏は、アローヘッドの設備管理者は「個人、車両を問わず、バックステージへのアクセスに関してはさらに厳重なアクセス管理」を実行していると言う。

 ある二人のベニュー代表者(匿名希望)は、会場で働く従業員、私立警備員、バンドのクルーメンバー達、ならびに配達業務員などを対象とした検問も開始したと報告している。

 「今はどのような警戒も実施する価値はあります」と、ボンジォヴァンニ氏。

 一方、各会場は警備員の増員、カメラによる監視、金属探知器の増強を行っている。

 プロモータの一つ、メトロポリタン・エンターテイメントの警備責任者であるケン・ヴィオラ氏は、ニューヨークのハンマースタイン・ボールルームで土、日曜日行われたインキュバスのショーでは、通常ラップ、ヘビーロックや「問題のあるアーティスト」の為に行われる身体検査と金属探知器による「ダブル検査」をオーガナイザが実施したと報告する。「ここ暫くは、この手順が少なくともニューヨーク市内の全てのコンサートで標準として行われるだろう。」氏の推測では、ファン達が入場するのに最長1時間待たなければならなかった。多くの会場が厳重化した警備のために余裕を持って来場するよう呼びかけている。

 ワシントンDC郊外のペイトリオット・センターは、イベントの内容によってはチケットを渡し検問無しで入場を許すものから金属探知器を通っての入場に至るまでの入場手順を変更していない。だが、変更となったのは観客の持ち込み品目。この会場と、そばにあるMCIセンターでは、持ち込み禁止となったバックパックやブリーフケースなどの手持ち品を駐車場まで持ち帰る事を許すものの、財布以外の荷物類、パッケージ品は全て持ち込み禁止とした。

 「一般的にはイベントに参加する事は今まで以上に安全であると考えて言いと思います」とペイトリオット・センターの総支配人バリー・ガイスラー氏は言った。

 今まで、コンサートでのポケットナイフなどの持ち込みは当然の事ながら禁止されていたものの、ピンセットや爪切りなどに関して各会場は航空会社のように禁止する事はなかった。「それを禁止している会場については聞いた事がない。」ボンジォヴァンニ氏は言う。

 イベント前の会場一掃を援助するため、いくつかの市では各地方警察当局が爆発物探査用の警察犬を導入している。他の警備関係者達は、何らかの根拠に基づいた恐れがある場合にのみそのような手段を使って警備に当たると述べている。「我々は地方警察当局だけでなく、その対爆発物部隊、諜報部隊、FBIとも直接連絡を取りあっています」と語るのはカリフォルニア州サンノゼのコンパック・センターの警備マネージャ、ジェフ・ページ氏。「このビルに関しては、いかに軽微な脅しでも厳重な手段を持って対処します。」

 彼は続ける。「我々の意識は高まっていますが、このビルを警察法治帯にする以外は、安全であると言っていいでしょう。」

 この報道に関してインタビューを行ったコンサート関係者達全てが、彼等が取ったこれらの手段は永続性のものか、少なくとも当面の対策だと語っている。ミネソタ州のセントポール・アリーナ社社長のクリス・ハンセン氏は、コンサートの警備は常時見直しが必要だと強調する。「3週間後、アメリカが何らかの形で報復に出る事で危険性がより高まるのか、それともアメリカ国内及び周辺での警備がより厳重になった事で[テロ活動の]機会が縮小され、それに伴う危険性も低くなるのか?」

 「この件に関連する過去24時間以内の時事を毎日検討し、その内容にしたがってそれぞれの会場は行動をとるべきだと思う」とハンセン氏は言う。彼の会社はツインシティーエリア[ミネアポリス市とセントポール市にまたがる一帯の称]エクセル・エネルギー・センターや他の会場を管理している。

 世界各国で135個所の会場を運営するクリア・チャンネル・エンターテイメントなどの会場管理会社各社は、警備に関する変更を発表しない方針だ。マジソン・スクエア・ガーデンとラジオ・シティー・ミュージック・ホールのスポークスマンは、ニューヨーク市内で有名な会場がそれぞれ警備を厳重化は認めるものの、その内容は実施のこうかを弱める原因となるとして発表していない。

 どのような変更が実施されようとも、コンサート産業としては娯楽そのものを妨害する事は一様に望んではいない。「我々は観客が楽しむためにこの会場に来ているという事は熟知しているつもりです」と、ペイトリオット・センターのガイスラー氏。「警備に関する認識と、観客を心配させるような形で更に一歩踏み込む事の間には微妙な境界線があります。我々は正しい側に立って行動すると思います。」

Teri vanHorn, with additional reporting by Joe D'Angelo

訳 by wolf

無断での転載を禁じます。

copyright Onelove.com, 2001