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マイク・ハウザー(Widespread Panic)インタビュー
1996年6月7日
サンフランシスコ、Warfield Theaterのバックステージにて

(c)1996年、Dan Skolnik(ダン・スコルニック)

トピック:

--マイクのギターと機材
--バンドのエンドースメント
--「ドリンキー(酒)を飲むこと」
--メインストリームのツアーバンドに対する受け入れ方
--好き者趣味としてのWSP
--マイクのリードギターとインスピレーション
--ジョージア州アセンズ
--マイク・ハウザー独特のソロ
--親密な歌とオーディエンスの反応
--デッドの曲を復活させる事へのWSPの想い
--Spreadnetとマイクの生活への影響

Rock & Road: ツアーは上手く行ってる?

Mike Houser: とても順調だよ。このツアーではなかなかいいところで演奏しているんだ。アトランタのChastainとか、もちろんRed Rocksとか。オレゴンの会場は凄くいいところだった。全てのベニューがいいもんだから俺達も楽しんでるよ。

R&R: まず君の機材とギターについて聞きたいんだが。

MH: オッケー。

R&R: サウンドチェックを観ていて注目したのは、全く同じと見られるギターが3本あるようだった。あれは全部同じもの?

MH: うん、あの3本は現代科学の緻密さみたいに同じなんだよ。最初のやつは91年頃に買ったものだ。ある店で買ったんだが、ただその店に入っていって選んだんだ。フレットの部分にいくつかリペアされたところがあってね、つまりフレットなんかを全て新しくしてあったんだ。普通フレットの更新を2回か3回やるとネックがかなり痛んでくるんだよ。だから別のギターが必要になった。こいつ - オレの最初のやつ - も、オレの汗が染み込んで時々故障するんだ。

で、いろんなところで探したんだよ。一方、フェンダーはこのモデルのギターを製造しなくなってしまった。テレキャスター・デラックス・プラスっていうんだけど。これはとどのつまりが全てストラトのハードを使ったテレキャスターなんだ。ストラト同様にアームがあって、ストラトのピックアップが付いていて、それにローラーナットも。

R&R: それって何?

MH: え〜っと、頭に弦がナットと交差しているところがあるだろ?弦が抵抗力に合わないようにそこのメタル製のピンが回るようになってるんだよ。

で、フェンダーはあのギターの製造を止めてしまった。2年間しか作られなかったんだ。あまり売れなかったみたい。テレキャスターを買う人の殆どは普通のテレキャスターが欲しかったんだと思う。いろんなものがごちゃごちゃ付いてるのは嫌だったんだろうな。だからWashburn社に行ってオレのギターを作ってくれないかと頼んでみたんだよ。

R&R: これは2番目のギターの事?

MH: いや、これはWashburn製でいつも家に置いている方だ。色はブラック。同じフィニッシュだったとかじゃないけどね。その後、Washburn社で僕の世話をしてくれた人がフェンダー社に移って、彼はそこでアーティストとの窓口担当だった。それを知ったオレは彼に電話をかけて「フェンダーのギターを何本か僕のために作ってくれるというのは可能だろうか?」って尋ねてみたんだ。彼は承諾してくれて、昔の仕様書を引っ張り出し、あのフィニッシュをやった男を捜さなければならなかった。「Firestorm」って名前のフィニッシュだったと思う。そこではもう働いていなかったんだ。他には誰もその手法を知っている人はいなかったんだよ。

R&R: そのフィニッシュが出来るのは社内でその男一人だったの?

MH: そうなんだ、特にあのフィニッシュに関しては。彼を捜しに行って、連れてきてあの2本のギターを仕上げたんだ。完成した時点で同じテレキャスターが3本になった。数年は保つだろうね。

R&R: なるほど!

MH: 最初のものは5年ほどいいコンディションだったよ。

R&R: それって毎晩使っての話だよね?

MH: そう。だからあとの2本で10年は保つとふんだんだ。フェンダー社の人々は本当によくしてくれたよ。使っているアンプはSoldano社製。あれはオレのお気に入りなんだ。ありとあらゆるアンプを使ってきたけどBlues Travelerの連中を通じてあの会社と知り合ったんだよ。ChanがSoldanoを使っていて、それで・・・

R&R: 本当?91年のHORDEの時に?

MH: うん、そうだったと思う。Soldanoに電話をかけたのはアトランタのLakewoodでやったHORDEのショーだったと記憶している。だから、うん、多分そうだ。いや、92年だったかな?ともかく、彼がSoldanoに紹介してくれて、あのアンプはベストだと思うよ。今では他の多くの会社が彼等の製品をコピーしようとしている。SoftechやPeaveyはSoldanoみたいなヘッドを作っているね。何か他にも出来る事あるだろう、みたいな連中がたくさんいるよね。研究者がやたら多くいるじゃない?

R&R: するとWidespreadのメンバーはスピーカーやアンプについてそれぞれの選択をしているんだね?

MH: そうだ。オレはMesa社製のキャビネットを使ってる。JBもMesaのキャビネットを使う。Daveが何を使っているのかなんて全く知らないよ。だから、そう、SoldanoのアンプにMesaのスピーカー、これがオレのリグなんだ。アンプに関してはエンドースメントを持っているメンバーはいないよ。ギターはフェンダーがオレをサポートしてくれている。JBにはエンドースメントがないと思う。彼はいろんな種類のギターをプレイするからね。

R&R: そうなの?彼だったらいろんな製品でエンドースメントの可能性が考えられるんだけどな。音楽関連の製品に限らず。

MH: うん、オレもそう思う。DaveにはModulusのエンドースメントがあるよ、もちろん。

R&R: そうなんだ。Modulusはサンフランシスコの大手だよね。

MH: うん。確かあそこから誰か今夜来ているはずだ。

R&R: 将来的にはどんな機材が欲しいと思っている?

MH: 何もないよ。これでいいや。(笑)本当だよ。10年もの間いろんなリグや何かで実験しながらやってきたからね。今持っているものでハッピーだよ。

R&R: エンドースメントを得る過程についてだけど、それって一般にミュージシャンが自分で追っかけるものなの?

MH: それは実際にはキャリアの状況によるんだよ。もちろんあるレベルに到達して時点で彼等から依頼が来るもんだけど、このフェンダーの話は僕が追っかけなければならなかった。何年もかかってね。

R&R: 君のセットアップでもう一つの部分はウェットバーだって事に気が付いたんだけど。君のキャビネットには、なんだろ、ジンかな、数本はいってるよね?

MH: オレの?

R&R: うん。

MH: 違うよ〜

R&R: ジン・アンド・トニックが作れるようになってるんだなと思ったんだけど。

MH: いや、オレ、アルコールはやらないよ。っていうか、ビールは飲むけどリッカーはもう飲まないんだ。何年も前に止めた。子供が生まれた時にリッカーは止めたんだ。

R&R: オッケー、そうなんだ。

MH: でも、うん、JoJoはちょっとしたセットアップを持ってるよ。彼は「ドリンキーをやる」のが好きだからね。

R&R: 聞きたかったことがあるんだけど、過去2年間とこれから2年先の間に、国内でツアーするバンドのシーンがどう変わってきたか、これからどうなるか、どんな風に見ている?そして当然今僕らがいる部屋にまつわる要素、その影響についてもね。

[このインタビューはワーフィールドのバックステージで行われた。ドレッシングルームの壁は紫色で、ドアにはエレガントな文字で「JERRY」と書かれている。]

MH: そうだな、ツアーしているバンドに関してはそれ程変化はないと思うよ。つまり、いろんなところへ行って、オン・ザ・ロードにいる事については。何が変わったかって言うと、Blues Travelerのようなツアーバンドにとってメインストリームに受け入れられるようになった事だ。ま、もちろんオレ達はメインストリームに受け入れられた訳じゃないけど。

R&R: でも君のオーディエンスが膨らんでるとか、ぼちぼち集まってきてるとか、そういう事は気付いていたりする?あるいは全般的に、う〜ん、何て言うんだろう・・・

MH: 加速しているって事?

R&R: そうそう、加速してるとか。

MH: うん、それはあるな。それに貢献しているのは何かというのは分からないけど。人々が単にオレ達のことを知るようになっていて、音楽にはまるようになったとかさ、そういうのが原因だと思いたいよね。実際にそれはオレ達に起こっている事なんだよ。つまり、オレ達のオーディエンスは大きくなり続けているし、それが当然オレ達の目指すところでもある。可能な限り多くの観衆の前で演奏する事がさ。他のバンドが今どうなっているかを知らないからそれについては話す立場じゃないけど。

R&R: うん、先週レッドロックスでLeftover Salmonが君達のショーでオープナーだったよね。Leftover Salmonは個人的に好きなバンドのひとつなんだけど、1年半ほど前まではあのバンドの事を知らなかったもんね。彼等の名前を最初に耳にしたのはニューヨークシティーで「Leftover Salmon」というのはPhishの別称だという噂が流れた時で、実際にPhishがウェットランズで秘密のショーをやったんだ。

MH: まじ!(笑)

R&R: でもそれ以来彼等は5、6回観て、そのたびにやられちゃってるんだ。彼等は確実にオーディエンスが殺到し始めているのを感じていると思う。君に話して欲しいのは、人々が突然「さて、どのバンドを聴こうか?」って言うようになっているという点で、その「変化」ってものがいい事なのか、そうではないのかという事なんだよ。それって、バンドのシーンのバランスを崩すような可能性があるんだろうか。

MH: う〜ん、オレには言いにくい事だよね。オレもLeftover Salmonは大好きなんだ。オレはただいろんなところへ行って、演奏し続けながら旅をしていれば、自然に人々は観に来てくれるようになると思うだけだよ。そしていつかはもっと大勢の人々が来るようになる。Salmonはそれをやったんだ。同じようにやってる他のバンドもね。かなりねばり強くやらないとダメだ。

オレ達のようなバンドに大して人々の心理に変化があるかどうかはオレにはよく分からないな。みんながみんなある朝起きた途端に「ワォ、こんなバンドがたくさんあったんだ、オレは何で今まで気が付かなかったんだろう?」なんて事はないと思う。むしろ誰かがバンドを観に来て、友達に話して、今度は彼等も観に来るっていう自然なプロセスによるものが大きいんじゃない?

人々が変化しているかどうかについてみんながいろいろ言ってるよね。僕は実際にそれは感じないんだ。いろんなところに出ていって、出来る限り演奏の場を多く持つようにすればいつかは多くの人が来るようになる。それだけだと思うよ。たくさんプレイしていると人々は何度も観に来る。それにBlues Travellerみたいに躍進的な事も起こっているわけだし。

R&R: すると音楽はプロパガンダのようなものなんだろうか。人々が信じるようになるまでプレイし続けるみたいな?

MH: オレ達の場合は趣味が合ってないとどうにもならないと思うな。つまり、例えばクライスラーの工場で働いている男がオレ達を最初に聴いた時、いきなり気に入るとは思わない。たぶん2回目とか5回目で気に入るんじゃない?でも、うん、その人がオレ達を聴き込んだり、何度もショーに来ている間にオレ達がやっている事を理解し始めるんじゃないかってのもあるよね。

一方では明らかに事を前に進めるだけの情熱と実力が備わってないとダメだとは思う。また一方では、オレ達のようなバンド、特にオレ達自身に関しては慣れっていう要素が多大にあると思うんだ。オレ個人はそう考えている。う〜ん、確かにそうだとは言えないんだけど。オレ達ってかなりはまり込んだところで好きになるタイプのバンドなんだろうな。それはちょうど子供がレコードを買った時のようなもんだ。オレの好きだったレコードって最初に聴いた時はそれ程気に入った訳じゃないけど何度か聴いている間に中身のレベルを理解するようになったものばかりなんだよ。そんなレコードは未だに聴いているようなものばかりだ。最初に聴いた時「すんげ〜」みたいにガーンと来るやつってしばらくすると聴きもしなくなるもんな。つまりオレ達ってそんなバンドだと思うわけ。

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R&R: それは正に次の質問の糸口になるわけだけど。つまり君がさっき言っていたレベルの問題なんだ。特に君のギター演奏についてだね。僕がWidespreadを最初に数回聴いた時は、そうだな、君のソロはどれを聴いても同じに聞こえたんだ。だけど、あれから何度ショーを観たかも思い出せないくらい聴いた今は君のソロがどこへ行くかが理解できてきたように思う。で、尋ねたいんだが、君はそれぞれの曲で毎回心の中に何か特にイメージしているの?あるいはいつも違った形で現れてくるんだろうか。例えば「Hatfield」みたいな曲。あの曲を演奏する時はいつもそこには何か特別なアイディアがあるとか、いくつかの基準があるとかするんだろうか。それとも、ただ行け〜みたいな?

MH: そうだな、あれはオレの頭の中にあるものを描いているっていうか、そんな風に考えたいな。オレのアプローチのプロセスを言葉で表現するのは難しい。場合によって違ったりするからね。分かる?でも普通オレにとってリードをプレイするっていうのはこれの頭の中で見ているもの、聞いているものを表現しているんだ。絵を描いているようなもんだな。表現しにくいんだけど。

R&R: 練習している時なんかに弾いたものが「これは『Hatfield』に結構合うな」みたいな事はある?あるいは『Hatfield』を弾いている間に突然何かが飛び出してきて「おいおい、これってどこから来たんだ?」とか。

MH: うん、出てくるインスピレーションのほとんどは実際にオレ達が演奏している時だな。で、オレが凄く気に入ったものがあると後で思い出そうとするんだけど大体忘れちゃう。特に「Fishwater」って曲、あれはオレ達がどこか北の方に行った時にプレイしたものなんだ。ただのジャムだったんだけど、ある男が録音していてそれを送ってくれたんだよ。オレ達はもちろんその事は忘れてしまっていた。多分あんなアプローチは二度としなかっただろうな。で、テープが届いてオレ達はそれを聴いて「ワォ、これいいじゃん。もう一度やろう」って事になった。あの男がテープを送ってくれたお陰なんだ。その点オレ達にはとてもラッキーな事だった。

R&R: 風の中に消えてしまっても不思議じゃないような、ちょっとしたインスピレーションだったんだ。

MH: そうなんだ。オレって自分がやる事については方法論的にどうやってアプローチしているのか本当に分からないんだよ。[頭に触れながら]ここにあるものが自然に溢れだしてくるんだ。そして、うん、それがオレに出来るベストなんだ。だからプレイするのが大好きなんだ。だって、オレにとってリードギターをプレイするより上手くできる事なんて他に無いんだから。それがオレの才能ってやつなんだろう。セールスマンやカーペット業者で上手くやれるとは思えないな。ギターを弾く以外にはオレという人間には何も上手くできるものがない。これってオレが偉大なギタープレーヤだって意味じゃないよ。

R&R: いやいや、言っちゃっていいんじゃない?!

MH: まあ、オレ個人の能力としてはそれがオレに出来るベストな事なんだ。

R&R: そしてそれってクールなんだ。だってWidespreadのショーやそれぞれはまっている他のバンドを観に来て、人々がその音楽に入り込んでいって、それで踊って、バンドと共鳴して、その時みんなが気付くのはそうする事がみんなが出来るベストなんだって事なんだから。

MH: うん、そうだね。それに、うちのバンドの連中ってみんなオレと同じなんだ。それって本当にオレ達が出来る唯一のことなんだよ。他にやる事なんか考えもしなかったし、想像さえもしなかった。オレ達はただ出会って、みんなが同じビジョンを持っている事に気が付いて、そして・・・オレ達みんなが同じ気持ちだったんだよな。オレ達がやっているのは一番大切な事なんだよ。それぞれのメンバーは異なったプロセスとして捉えているんだが、それってヒーリングみたいなもんだ。ショーをやっている事からオレ達それぞれが何かを得ている。あの「何か」をさ。

R&R: 何か薬のようなもの。

MH: そうなんだ!ステージに上がっていく時は勘弁してくれよみたいに感じていても、ステージを降りる時にはすっかりいい気分になってる。あれはオレ達の人生の中で最もパワフルな事だよ。オレも結婚していて子供もいるし、彼等はとてもスペシャルでパワフルな存在であるのも確かだ。でも本当にオレ達全員を前進させるのはミュージックだ。オレ達にそれが出来なくなるような日が来ない事を祈るばかりだ。なぜって、それは本当にとてもパワフルで、とっても・・・それはオレ達みんなにとって本当にいい事なんだよ。そして、オレ達は音楽を愛してるんだ。オレ達っていつもそうだった。

R&R: ステージに上がっていく時は最高の気分だったけど、たまたま演奏が良くなくて、ステージを降りる時は最悪の気分だったなんて事はある?

MH: うん、苛立つ事は時々あるよ。ショーが思っていたより上手く行かなくてイライラする時はもちろんある。オレ達にはルールがあって、ルールなんて呼べるようなもんじゃないんだけど、たとえそんな事になってもショーの後にそれを持ち出さないって事。だってみんな興奮しちゃってるわけだろ。だから、何か気に食わない事があったらその翌日に話し合うようにしてるんだ。ショーの後で話し始めると、うん、みんな興奮していて緊張していたりするからいろんな問題が起こりやすいんだ。みんな同様にそうなちゃってるから。

そんな事ってあまり無いんだけどね。普通誰か一人がそのショーについてあまりいい風に感じていない時って他のみんなは凄い良かったって感じていたりするもんなんだ。あるいは、たまたま誰かがその日は特別パワーが無かったりしても、バンドの他の連中がさらに頑張ってカバーしてくれる。チームなんだ。オレがいいショーをやってない時は、大体JBがガンガン歌ってくれている。バランスが上手く取れてるんだ。でも君のいった事は面白いね。ひどいベニューでやる時ってみんな雰囲気悪いんだけど、ほとんどの場合メッチャいいショーになる。素晴らしいベニューに行ってもひどい会場での演奏に比べると大したことなかったりもする。結局毎日が違ったものなんだね。いつどうなるかなんて分からないよ。

R&R: ステージを歩いている時もそうなの?つまり、「このセットはなかなかいいな」とか「このセットはハズレちゃってるな」とかっていつ頃分かり始めるものなの?

MH: え〜っと、オレ個人は最初のリードギターを弾いた時に大体分かるな。ナチュラルに来てるな〜とか、無理が入ってるなとかはその時に分かるんだ。と同時に「よし、来てる」って感じてもうその事は考えなくてよくなってるか、あるいは「ハズレてるな。どうすりゃいいかな?」と感じてもっとのめり込めるようにさらに頑張る、と。

でもこの世界に演奏する事に匹敵する事なんてないんだよな。つまり、ありとあらゆるものがそこにあって、いろんな要素があって、みんなそれぞれの脳みそを使ってやっていて、それぞれの感じ方をしてるわけだろう。だから何か別のものがそこにあるんだ。オレ達はその点とても幸運だね。メンバーはT. Lavitz以外は10年来変わってないんだから。

R&R: オッケー、じゃぁ次の質問に移ろう。君はどんな風に紹介されたい?ただのミュージシャン、アセンズ出身のミュージシャン、ジョージア出身のミュージシャン、アメリカンミュージシャン、それとも地球のミュージシャン?

MH: なんて質問だ!

[廊下からDave Schoolsと思われる声] そうだ、インタビューだっつーの。

[長い沈黙]

MH: うん、オレはアセンズ出身である事と我々のバンドがアセンズから出てきたという事をとても誇りに思っている。オレはあの街が大好きだ。特別なところなんだよ。そしてオレ達はみんなアセンズから来たバンドである事を誇りにしている。だから、そう、アセンズ出身のギタープレーヤーとして紹介されるのがいいな。

R&R: そうかぁ。曲を作るのにDanny Hutchensと座ってやったことはある?それともWidespreadがやってるHutchensの曲はみんな全てHutchensとBloodkinによって書かれたもの?

MH: うん、実際にはいくつかの曲はDannyが一人で作ったもので、いくつかはDannyと彼の相棒のEricが書いたものだ。だから、うん、オレ達が共作する事はない。彼等の手によるものをオレ達が聴いて気に入ったんで演奏する事にしたんだ。

R&R: 君の作曲のスタイルはDannyのスタイルと似ていると思う?

MH: オレはそうは感じてないよ。オレ達はみんな・・・Dannyはとにかく凄い才能がある男なんだ。彼の歌はとても熱情的だし、ひとりひとりの心に直接グッと来るもんだよね。そしてとにかくアセンズの歌だよ。オレ達にとってあの歌の数々はアセンズでしか作れ得ないものなんだ。Dannyの歌はアセンズの絵を描いているようなもんだ。オレ達が常に彼の音楽を愛してきた理由の一つは正にそれで、オレ達をアセンズの人間として感じさせてくれるからだ。だけどなぜそうなったのかは思い出せない。最初はただオレ達が聴いていて「ワォ、この連中すごいじゃん」って事になった。あと、オレ達が演奏する事で彼等の音楽を人々に聴かせたかったってのもある。

R&R: じゃあちょっと聞かせてくれない?君のソロがみんな同じように聞こえると感じたって言ってしまった事はちょっと横に置いて、これはキツイ質問かも知れないんだけど。

MH: ハハッ!うん、その事についてだけど・・・うん、それは言えてるよ。っていうか、オレにもスタイルはあって、あの感じとは違うようにオレのソロを演奏しようとしてもそれは無理だ。あれがオレのギターの弾き方なんだよ。誰かがある一曲でソロをやって、また別の曲でソロをやって、それを聴いたら同じようなソロだったなんて事は誰にもあるんじゃないかな。それぞれの曲に合うようにしているだけで。でも、うん、それは・・・俺が思うに・・・それって多くのミュージシャンに共通の事じゃないか?スタイルって言うか。しばらく前にオレとDaveがその話をした事があるよ。彼が言ってたよ、「うん、お前のソロは確かに同じように聞こえるけど、それぞれの違う曲にちゃんと合ってるし、第一ファンにとってはそれがいいみたいだぜ。マイク・ハウザー、トレードマークのソロ、みたいな」って。

R&R: そうそう。でも君はマイク・ハウザーのトレードマークソロを造り上げようとしているのか、それとも君はあのサウンドにすっかり魅惑されちゃっていて、表現したいものの全てがあのように表現されてしまうんだろうか?

MH: そんな事は考えないよ。ただそうやっているだけ。確かに、もしオレがSteve Howe[プログレバンドYESのギタリスト]見たいなフレーズを弾く事が出来たら絶対やりたいと思うだろうね。でもオレにはそれが出来ない。あれはSteve Howeのトレードマークギターなんだ。だから、YESのアルバムを聴くと一発で分かる。[指を鳴らす] どんなギタープレーヤーでも言い当てる事が出来る。ある曲をちょっと聞いただけで、それが誰か分かるんだ。なぜならそれはみんな彼等のトレードマークのリードギターサウンドだからだ。

R&R: 君はギタープレーヤーとして、そうやって伝達を計ってるんだね。

MH: そうなんだ。オレはオレのサウンドを持っていると認識しているし、それがオレのサウンドだと思っているから変えようとはしないわけ。

R&R: 君のサウンドに関して、例えば君の息子と同じ位誇りに思ってる?

MH: [呆然としている] 違うな。オレには素晴らしい子供がいる。だけどその事についてはオレが何かをしたからじゃない。[サウンドについては]おれのあり方そのままだよ。そう生まれ育ったんだ。それがありのままの姿だ。だからオレは・・・

R&R: でも以前は・・・っていうか君はいろんなエフェクト、ギターの種類だってそうだし、ストリングの種類や、ピックやその他のものをいろいろ使って実験しなければならなかっただろう?

MH: 確かに。じゃあこう言えばいいかな。最初の頃、つまりオレが最初のギターを持ち出して、弾き始めた頃、そのギターでちょっとしたパターンを作り上げたんだ。それ以来何年もオレはその小さなパターンを拡張してきた。でもオレがギターを弾き始めた直後にそれが出来上がっていた。あれがオレのサウンドだった。その他全てはそのパターンの上に築かれたものなんだよ。

R&R: エレキを最初に弾き始めたのはいつ?

MH: そうだな、最初からエレキギターだった。アコースティックは一週間ほどやって、その後すぐIbanez Telecasterを買った。だからオレが言ったように直ちにパターンを作り上げた。ネックの上で。そしてそれは物理的なことなんだ。弾いてあげてもいいよ。オレの知る限りそれってスケールとかとは全然関係ないぜ。今でもスケールなんて一つも知らないもん。それって凄く不思議だけどね。Bruce Hamptonが言ってたけどそれはかなり変な中近東のスケールか何からしい。で、いったんあのちょっとしたパターンを発見したら、それにロックインされてた。キーとかスケールとかにはまったく関係ないんだ。それって本当は間違いなんだな。正しくない。ただそんな風にオレが・・・オレはそれを使ってかなりプレイしたから・・・う〜ん、とにかく不思議なんだよ。

R&R: それがちゃんと聴けるんだったら、誰も間違ってるなんて言えないんじゃないの?

MH: それはそうだ。技術的に正しくないって言うか。本当は技術的にちょっとは違う音を弾いたりしていないといけないんだろうけど。ただ、そうだとしても・・・

R&R: だけど誰もそうしろとは言ってないよね。ストラビンスキーとか、モーツァルトとかさ。

MH: そう、全くだ。うん、だからそれで決まっちゃったんだよ。で、いったんJBとプレイし始めたらもう終わっちゃってたみたいな。

R&R: 君がそのパターンを発見して、その後はそれにロックインされていたってところが凄くいいな。

MH: うん、確かにそうだった。今でもそれをやってるわけだし。あの「最初にギターを弾き始めた時の」リードを、さ。今でも毎晩やってるよ。

R&R: オッケー、じゃあ数段落話を戻して、僕がキツイ質問になるかも知れないって言ってた話しで、Bloodkinについてなんだけど。

MH: そうだった、そうだった。

R&R: え〜っと、ファンのなかでも大勢の連中の反応と解釈してもいいと思うんだけど、連中が「Bloodkinの曲なんかくそ食らえ」なんて言っている事について今までにバンド内で話し合った事はある?「オーディエンスにはこんな事を言っている連中がいる。それにどう対処するか?」とか。

MH: そんなの聞いた事ないな。個人的にはBloodkinの曲に不満を持っている人がいる事は知らなかった。本当にそうなの?

R&R: いや、僕は・・・いや・・・だから・・・っていうか・・・この質問をしなきゃならなかったのはつまり、例えば95年のハロウィーンのショーで最初のアンコールのために君達がステージへ戻ってきた時、僕から2列ほど後ろにいたバカが・・・僕はDaveの真ん前にいたんだけど・・・そいつが「Bloodkinなんか止めてしまえ、オレ達はWidespreadを観に来たんだ」とかなんとか叫んだんだ。するとDaveがマイクで「よう、何かもんだいがあるのかよ?」って言った。その瞬間僕は思ったんだ、オーディエンス全体がそう感じてるんじゃないかって。

別の例で言うと、僕の持っている93年のテープに入ってるんだけど、JBがマイクでこう言った事があるんだ。「うん、Bloodkinの曲の事だけど、オレ達はあの曲がみんな好きだからプレイするんだ」って。だから僕はそのコメントがさっき言っていた認識から来ているんじゃないかと思っただけなんだ。

MH: ファンの一部で、と言ってもほとんどがオレ達の友達なんだけど、DannyとEricが実際にステージに上がってオレ達と演奏する時に不満を感じる人がいるって事はオレは気付いていたよ。彼等はWidespread Panicだけを見たいっていう人々なんだな。ゲストに関しても同じ。オレ達がDave BlackmonとかJohn Keaneとか、ゲストミュージシャンを引っ張ってくる時はいつも誰かが「もう充分だ、Widespread Panicを聴かせてくれ」とか言うわけ。

だからそんな感じ方があるっているのは知ってた。特にハロウィーンなんかでDannyやEricがステージに上がる時とか。それは僕も理解できるんだ。みんながWidespread Panicを観に来る時はWidespread Panicを観たいってことなんだから。

R&R: 君はそれをありがたいと思う?それとも君個人のリアクションは「Fuck you、オレ達はやりたい事をやるんだ」なの?

MH: オレはただそれが理解できるって事だ。それにある種の特別な不満がオレ達の演奏する曲に関してあったなんて知らなかったし・・・

R&R: 僕自身、その件については過大評価したくはないんだ。僕が質問する過程上強調しただけでね。

MH: うん、うん、分かるよ。オレ達がBloodkinの曲を演奏する事については、オレはいつもファンには気に入ってもらってると思ってたんだ。オレに関して言うと、若い頃はレコードを買っても誰が曲を書いたかなんて見もしなかった。オレがバンドに参加してレコードを作って、その時初めて他の人が書いた曲を自分のレコードに入れる事も出来るんだって気付いたくらいだ。それまではどのレコードのどの曲もその人によって書かれたものだって思ってたんだ。

だから多くの同じような事が言えるんじゃないかと思う。つまり、「Makes Sense To Me」がWidespread Panicの曲だと思っている人がたくさんいるって事。スリーブに細かく書いてある事には気付かないんだよね。

R&R: 僕もいつも思うんだけど、特にハロウィーンでの出来事なんかであの男は飛んでもない間違いをしているんだ。だってもし君達がステージに上がってセサミストリートのテーマをやったとしても、セサミストリートのテーマをやっているWidespread Panicだという事実には変わりはないんだから。

MH: そうだね・・・でも「Can't Get High」をやった時は毎日のようにショーを観に来てくれる普通のWidespread Panicファンでもネガティブなリアクションを示すだろうって事はオレ達には分かってたけど。オレ達にとってあれはラジオで流している曲だし、普段Widespread Panicが気に入らないような人達に受けそうな曲じゃない?「この曲はWidespread Panicが嫌いな人が聴くような歌です。こんな感じでどう?この曲だったら知ってるでしょ?」みたいな。ちょっと付け加えると、あの曲はラジオでいつもやっていて、あるツアーではあの曲を演奏しているからという理由でチケットを買うような人が大勢いたために、どうしてもやらなきゃならないような感じだったんだ。もちろん彼等をがっかりさせたくなかったからね。でも、う〜ん、その件についてオレ達はどうのこうの考えてはいないんだけど。

R&R: オッケー、この件はこれでいいか。え〜っと、じゃ次質問。1年半ほど前にJBとインタビューした時にWidespreadは他の多くのバンドと同じように大体デッドのカバーバンドとしてスタートしたって事についてかなり長く話し合ったんだ。なぜもうデッドの曲はそれ程演奏しないのかとか、ハロウィーンではいろんな曲をやったよねとか。「ChinaCat Sunflower」について話した時に、彼は「今はある偉大なバンドがあの曲をやっているし、もしあの曲を無茶苦茶にするとしたらあの連中がやるべきだ」みたいな事を言ったわけ。で、ジェリーの死という変化が起こった今、質問したいのはデッドの曲を演奏する事についてバンド内で何かポリシーとかいろんな感情とかはあるだろうか、それについて妙な気分だろうかって事なんだけど。やるとすればさらに妙に感じるだろうか?「よう、『ChinaCat』なんかやったらファンは興奮するんじゃないか?」とか内々で話し合ったりはしない?

[ホールからWSPのローディーの声:そうだ、Mike、その通りだ!]

MH: うん、あの歌はもう忘れちゃったよ。かなり長い間やってないもんな。う〜ん、ジェリーやその他のいろんな出来事の影響で何かが変わったとは思わないよ。デッドの曲をやるのを止めた理由はオレ達がみんなにオレ達を聴きに来て欲しいからだ。

R&R: でも今はみんなそうだろう。あくまでも仮定だけど、でも今はみんなWidespreadを観たくて来ているわけだし、デッドが「ChinaCat」をプレイする機会はないわけだから、WidespreadのフルセットでWidespreadの素晴らしいショーをやった上で、アンコールに「ChinaCat」をやってもいいんじゃないかっていう。

MH: そうだな、やるかもね。

R&R: 別にそうするべきだと言ってるんじゃないんだ。君を刺激したいだけっていうか。

MH: それは分かってるよ。それは・・・ジェリーの死は、オレ達がその件についてどう思うかには影響を与えなかった。いつか将来彼へのトリビュートとして、あるいはそれに近い理由でやる事だってあるかも知れない。でもオレ達の方向性はそれでも変わらず同じなんだ。うん、オレ達は・・・オレ達はデッドのカバー曲はやりたくないんだ。オレ達みんなあの音楽は大好きなんだけど。特に今は、それをやる方が簡単だろ?そしてもちろんみんな気に入ってくれたりするとも思う。しかしオレ達にとってはどこかデッドに乗っかっているようなところもあるからね。分かる?死んだ人を利用するみたいな。

R&R: 僕は正にその事を確かめようとしているんだ。あんなにデッドに親密な曲を単なる演奏としてだけでも考える事は出来ないって事だね。人々がその事について考え過ぎちゃうとか。

MH: みんなその事については深く考えすぎる事になると思うよ。オレ達が彼の死を利用するような事はしたくないのは確かだし、さらにそう見られるような事だってやりたくはない。だから、そう、もしみんながデッドのカバーを聴けるとすれば、それはかなり先の話だろうな。

R&R: その時は是非知らせてくれよ。

MH: (笑)分かった、そうするよ。

R&R: ハロウィーンってのもあるしね。

MH: うん、ハロウィーンかも。それってオレ達が「Coconuts」をやる時でもある。作ったのはオレ達だけど、普段演奏しない曲。時々ジャムの途中で「The Other One」でいろいろやる事はあるよ。「Me & My Uncle」はオレのフェイバリットだし。いつかやる事だってあるだろうな。「ChinaCat」は・・・オレ達がどんな風にやったのか思い出せない。良かったのかひどかったのかも・・・

R&R: いやいやいやいや!あれは良かった!ホントに良かったよ。

MH: ・・・でもあれはいつも大変だった。でも、うん、オレ達は本当に・・・デッドの曲を止めた理由は変わってないんだ。今でもそうだし、今は特に利用したくないっていう気持ちがあるから。オレ達のような立場にある人達にとってはかなりの誘惑だと思うしね。でもオレ達はジェリーが大好きだから・・・

R&R: えっ、どうゆうこと?つまり「誘惑される」って事だけど。

MH: 彼等がいなくなって、彼等の曲を演奏するバンドへの需要がとても大きくなっている事は確かだから、そうする事は簡単だと思う。そこへはまってしまうのはイージーだと思う。デッドの曲をやっている多くのバンドを観たわけじゃないけど、ジェリーが亡くなった時デッドの歌を演奏するバンドの大きなムーヴメントが出てくるんじゃないかとは考えた。

R&R: Leftover Salmonに戻ると、彼等はやってるよ。「The Wheel」をいくつかのジャムに織り込んでいる。彼等自身のバージョンの「Fire On The Mountain」も歌詞を変えてやってるし。

MH: そうそう、あれは聴いた事があるよ。

R&R: で、彼等があの曲をやる度に凄い反響があるんだ。

MH: うん、でも彼等はジェリーが亡くなる以前にもうやってたけどね。

R&R: 質問があと一つ。時間は大丈夫かな?

MH: 平気だよ。

R&R: オッケー。これはかなりつっこんだ話なんだけど。Widespreadがインターネット上で話題になり、情熱となり、最も活発なコミュニティーを作っている事は知ってるよね。

MH: え、そうなの?

R&R: まじで。Spreadnetっていうんだけど。毎日、何百人もの人々がチェックしてて、いかにインターネットがバンドのファン達の日常をさらに満たす事が出来るかというベストな例の一つなんだ。

MH: そうなんだ。

R&R: これもJBと長く話し合った事なんだよ。あれ以来、ネットの現象とバンドがそれを使える方法は進化しつつある。そこで聞きたいのは、君自身、この新たな人種みたいなもののメンバーとして・・・多分知らずにそうなっちゃってるのかな。

MH: 確かにオレはあまり分かってないな。

R&R: この「ネット上の有名人」という新しい人種・・・

MH: うん。

R&R: それについて何か抵抗はある?いろんな人がテレビなんかよりもっと強烈な形で・・・人々がバーチャルなコミュニティーで座って向かい合って君のバンドの事や、君自身や君の生活、ギタープレイ、ありとあらゆる事について話し合ってる。君はそれについてどう感じる?

MH: うん、まずSpreadnetってのは一度見た事があるだけだ。コンピュータは大の苦手でね。

R&R: Daveはかなりはまってるっていうのは知ってるよね?

MH: うんうん、オレはまったく問題ないけど。う〜ん、言い直した方がいいな。オレはそこからいろんなポジティブな事が生まれてくると思う。このような事が起こり始めた当初、オレやオレ達全体にとって怖かったのは、ツアーをやっている最中に誰かが毎日いろんなコメントを集めてオレ達に送ってきた事だった。だから毎日バスのテーブルの上に紙が束ねられていて、それにはその前夜のショーのレビューが書いてある。基本的にはいろんな人のコメントとかが一緒になってレビューみたいになってたんだけど。それってなんかちょっと怖かったよ。なぜって、うん、ちょっと知りすぎているんじゃないかってのが個人的にあったよね。オレって人々が何を考えているのかは知りたくないんだ。あまりにも近寄りすぎてるって感じだったんだ。分かる?

R&R: うん。それって驚いた?

MH: うん、あれには驚いたよ。そのうち、あるコメントにはかなりやられたし。出来る限り読まないようにしたよ。第一、オレはそんな事知りたくなかったんだから。

オレにとって、ショーっていうのはオレの心の中ではいつも素晴らしい事なんだ。高慢な意味じゃ決してなくてさ。言いたいのは、オレにとっては、今夜のショーは明日オレの心の中にあるイメージとして残るんだよ。多分、そして望むべくはある程度ポジティブイメージになっていると思う。それが・・・だからテープを聴くようなものなんだ。オレ達のショーのテープを聴く事なんてさらされないうちはしないんだ。誰かに強制的にやらされないと絶対にしないからな。なぜって、どのテープでもオレの記憶にあるほどいいなんて事がないからだ。分かるよね?

R&R: それって君にとってはいつもがっかりさせられる大きな要因なんだね。

MH: そうなんだ。オレにとってはいつもブルーになる原因なんだ。だって、ショーには凄いエネルギーがあるだろう。[拳を振り回しながら]この凄いエネルギーってものが。で、その後テープを聴く。すると、ちょっとしたミスや細かい事がいろいろ聞こえてきてしまう。あの場にいて、ショーの中にいて、観衆がいて、それだけだと何でも凄くいいわけ。その後、いろいろ分析したりしてもな・・・だからこのインターネットではそれと同じ事が起こってるんだ、オレにとっては。まるでテープを強制的に聴かされて、覚えているものより良くなかったんだと知らされているようなもんだよ。

R&R: なるほど、でもまったく逆の事が起こったとしたらどうだろう。君はある日そのバスに乗っていて、「昨夜のショーはあまり良くなかった。オレがいろいろミスってしまった」なんて考えていたとするよね。で、Spreadnetを見るとみんなが凄いショーだったって言ってたとしたら?

MH: うん、実際にほとんどのケースはそんな感じだったんだ。だって、覚えている限りネガティブなコメントはほんの少ししかなかったし、ほとんどがポジティブなコメントだったからね。それでもオレにとっては同じ事なんだ。オレにはそれ程多くの再確認的なコメントは必要ない。言ってる事分かる?だから、うん、あのような事って与えるものは少なくても傷つける事はとても多かったりするもんだ。気にはならないし、バンドの他の連中はそれを読んでかなり楽しんでいるところもあるし。中には可笑しいものだってある。オレにはちょっと手に負えない感じなんだ。それに、怖いと思うのはオレの母もインターネットやってるんだ。コメントの中に「よう、ショーの後でMikeと話してたんだけど、ローディーの一人がビール1ケース抱えてそばを歩いていって、するとMikeは『オレ、行かなきゃ』とか何とか言ってビールを追っかけていったんだ!」(笑)本当に誰もが読む事が出来るインターネットでこんな事が載ってる。個人的なところまでつっこまれているって感じたのはその時だよ。

R&R: それは君のロックスターのイメージのほんの一部なんじゃないかな。だって、君のお母さんは君がウイーン少年合唱団に参加している訳じゃないって事は知っているはずだよね?

MH: っていうか、その事自体はそれ程気にしてないんだ。ただそうなってもおかしくない可能性はあると感じたわけ。分かる?

R&R: うん、よく分かるよ。

MH: だからオレはSpreadnetの大ファンじゃないんだ。ただ見たのは・・・オレの義理の妹が彼女のコンピュータで「ご覧なさいよ」って見せてくれたんだ。だからそのページは見たよ。だけど、それにはまるって事はなかったな。でも、今はコンピュータの世界である事には違いないし、それから隠れようとしているわけじゃないしね。オレ達が伝えたいとする事を広めるためには大きな助けになるという事も理解できる。人々に会話の機会を与えたり、同じ関心をシェアしている人達がお互いとコネクト出来たり、知り合ったり、そんな事も出来るわけだし。

R&R: Widespread Panicの経験の全体的なイメージを彼等自身やお互いに焼き付ける事も。

MH: 彼等にとっては、ね。そうなんだ。[長い沈黙]オレ達が受け取ったコメントについてもう一つの点は、いったん読むのを止めて考えてみると、これってファン達の中でもごく一部の人々だって事なんだ・・・いつもいつも投稿している人達ってのは・・・オレ達が読んでいるのはオーディエンスのほんの一部でしかないって事。だから、可能性としては偏った見方をしているって事もあるよね。

R&R: うん、でもそれはおそらく最も献身的なごく一部でもあるよ。一番よく知っている連中でもあるだろうし。

MH: そうだろうな。まったくそうだろう。一番はまっている連中だね。だから、オレが恐れる可能性って・・・もしその人達が言っている事をマジで受け取るとすると、その小さなグループの人々にフォーカスを当てている事になる。

でも、そうだな、近々オレもコンピュータを買ってネットに繋げなきゃなんないだろうな。前にも言ったようにオレには5歳の子供がいるから彼がネットをサーフしたがるだろうと思う。もちろん息子にはオレがビールを運んでいるやつを追っかけているなんて事は読んでほしくないけどさ。

うん、確かに面白い現象ではあるな。コンピュータは驚くべき代物だよ。大学に行ってた頃コンピュータは嫌いになった。IBMのカードシステムがあった昔の事だ。プログラムを書こうとするとあのIBMのカードを使わなきゃならなかったんだ。どのカード一枚でも曲がったり失ったりしたら、うん、それっきりでアウトだ。でもあれだけがオレの経験で、実際にオレはクラスからドロップアウトしたんだよ。オレのコンピュータカードを大学の寮の窓から投げ捨てちゃったよ。

R&R: ハハハッ!そうだったんだ。

MH: 今は違う世界だよ。でもどれだけオレが息子を誇りに思っているかを知ってもらうために・・・[財布から息子の写真をとり出して見せる] な、これがそうだ。

R&R: ハロウィーンのショーで彼を見たよ。彼はコスチュームを着ていて・・・

MH: え、見たの?うん、キャスパーのコスチュームを着てた。

R&R: そう、キャスパーだった。君は彼のために「Dream Song」を書いたの?そう聞いたんだけど。

MH: ホント?オレがやったのは「The Dream Song」の作曲だけだよ。JBが作詩した。それにオレは彼が何を考えてあれを書いたのかは知らないんだ。ハロウィーンで可笑しかったのはあのWaker [Mikeの息子の名前] がステージに上がって、もちろん彼はラミネートされたパスを首から提げていて・・・

R&R: うっそ〜!

MH: で、オーディエンスがこのラミネートを見て・・・ショーが始まる随分前だけど・・・連中が「おいで、おいでよ、もっとこっちおいで」何て言いながらパスを取ろうとしてたんだ!オレは本当に連中が息子からそれを取ろうとしてると思ったよ。だから、「Waker、そんなところへ行くんじゃない!」って言ったんだ。

R&R: それはさ、オーディエンスの中でも南部のレッドネックの連中だろう。

MH: そうそう、たぶんフラタニティーの野郎共だぜ、きっと。

[ホールからふざけ声:フラタニティーの野郎なんて糞食らえだ!]

MH: さて、そろそろ晩飯食わないと・・・

R&R: そうか、いや、有り難う、Mike。とっても興味深いインタビューだったよ!本当に感謝する。

MH: 問題ないよ。君に会えて良かったよ。

 

copyright 1996 Dan Skolnik

Photo by Kenji

(訳 by wolf

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